月刊"勝丸"- 2011.

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No.14 2011.12.29 武蔵野美術大学で「金井勝のシネ宇宙」~~:-))))))))))))

12月5日に、武蔵野美術大学の課外授業で「金井勝のシネ宇宙」と題してオムニバス映画・『時が乱吹く』(1991)の上映&トークが行われました。

これは『時が乱吹く』の中の『夢走る』(1987)の主演であった友人の城之内元晴が、今から丁度25年前の12月10日に交通事故死した為に、結果的には城之内への追悼作品となった16mm映画です。

今でも欧米の映画研究者の間で高く評価されている映像作家の城之内~~トークのメンバーのひとり・金子遊氏も彼を高く評価してくれておりました!

さて、この「金井勝のシネ宇宙」ですが、岸本麻衣さんという学生が大学に働き掛けて実現したのだそうです。勿論トークにも参加してくれた黒坂圭太教授、イメージライブラリーの狩野志歩さんも共にイメージ・フォーラムの卒業生ですので良く知っていましたし、課外授業のコマを提供してくれたクリストフ・シャルル教授の協力があったからこそ実現したのだとも聞いております。
そして研究室の山崎連基氏、ポスター&チラシに協力して頂いた小川梨乃さん~~皆様に深く感謝しております。

アフタートークでは、金子さんは黒坂氏のアニメ作品「緑子」とぼくの作品との関係などについて言及し、黒坂氏は金子遊・編著「フィルムメーカーズ 個人映画のつくり方」(アーツアンドクラフト=出版)の中に出てくるぼくの言葉などについて語りました。
ぼくは映画に対するぼくの基本的な考え方や、独自な発想法と弁証法について話しましたが、後の飲み会に参加した学生たちもその辺りに関心があったようで、瞳を輝かせて聞いてくれました:-))))))))))
   
 
 武蔵野美術大学、奥の高い建物が映像学科の校舎  上映前の会場と小川梨乃さんのポスター
3月11日のショックからなかなか立ち上がれませんでしたが~~~、
それでも、春には共著「フィルムメーカーズ」が上梓され、夏にはロンドン大学とCLOSE-UPでの上映&シンポジュームに参加、秋にはカナダのモントリオールでの上映があって、そして師走にはこの「金井勝シネ宇宙」~~皆様に支えられた他力本願の一年でした。感謝!

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No.13 2011.11.16 遂に、ブーゲンビリアが我が庭で開花~~:-))))))))))))   

前にもお伝えしましたが、冬の気温が都心より5度は低い高幡不動の我家の庭に、常夏の植物=ブーゲンビリアが逞しく枝を伸ばしました:-))))))))))
前年の冬の寒さに枯れ果てたかと思えたところから奇跡的に蘇生したこの熱帯植物~~それでも芽吹くのが遅かったためか、春が来ても夏が来ても一向に花の気配はなく、今年は花は無理かと諦めかけていました.......。

ところが、山形映画祭から帰って来た10月13日の翌朝~~何気なくブーゲンビリアに眼をやると、濃い緑の中にポツンと小さな紫の点がありました:-))))))))))

顔を近づけてよく見ると、あちこちにも小さな小さな蕾みのようなものが枝の先にもありました。
そして右の“写真”からはみ出して、上に大きく伸びた蔓状の幹にもいくつかの蕾が列び、こちらは下の蕾たちを追抜いて直ぐに大きく綻びました:-))))))))))

このトロピカル・プラントの関東での“庭植え”は難しく、殆どの植木屋さんから「都心なら兎も角、この辺は寒いから無理」だと言われました。
開花についても難しく、“水と肥料”の問題で、ともかく「コツを掴む」ことだとwebにはありました。

ともあれ、熱帯植物も一度冬を越すことが出来ると耐久力がつくそうなので、今度の年越えは2度目なので何とか来年は初夏の辺りから開花させねばと思っております。

俗に“魂の花”とも呼ばれているブーゲンビリア~~40年ほど前にあのガラパゴスのジミー・ホテルの庭先に誇らしげに咲いていて、ぼくの心を捉えた花です。
何とか頑張って、高幡不動にあの南国の爽やかな風を呼込もうと思っております:-)))))))))

 
   
 先ず先陣を切った一番花
中にあるのが花
 太い幹が2メートルを越え
幾つかの花を付けた
 中世の武具のように輝く包葉 (ほうよう)
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No.12 2011.10.30 第12回山形国際ドキュメンタリー映画祭で~~:-))))))))))))   


刺激を求めて今年も山形国際ドキュメンタリー映画祭に行ってきました。
※ 右はオープニング・パーティ~~ 左より和田辛子(IF1期生)、村山匡一郎(映画評論家・IF専任講師)、小生、加藤到(IF1期生・東北芸工大准教授)

しかし、ここでも段々と知合いの顔が少なくなって心細くなってきましたが、それもその筈、こちらも今年から後期高齢者の仲間入り~~このパーティで、大学の同級生・加藤彰監督(日活)が4月に亡くなったと聞かされました…!

そんな訳でこちらも無理は禁物~~《一日3作品》と決めて挑みましたので、《インターナショナル・コンペ》でも、大賞(=ロバート・フラハティ賞)となった「密告者とその家族」及び、特別賞の「殊勲十字章」は見逃しました。

それでも、最優秀賞となった「光、ノスタルジア」、優秀賞の「5頭の象と生きる女」&「阿仆大(アブダ)」は見ましたのでそれほど後悔はしていません。
他に見たのは、「飛行機雲(クラーク空軍基地)」、「アルマジロ」、「監督失格」、「何をなすべきか?」で、各々なかなか見応えのある作品でした。
また、このコンペの審査員=フェルナンド・ペレスの「永遠のハバナ」も見ています。

《アジア千波万波》は、「わたしの町」と「草庵の村」だけで、受賞作品の全てを見ておらずちょっと残念でしたが、他にも魅力的なプログラムが目白押し~~《立ち上がれ日本》での「漁る人々」(シュウ・タグチ・プロ)に続いて見たフラハティの「極北のナヌーク」には感激しました!
「ドキュメンタリー映画史上屈指の名作」と謳われている作品なので気になっていたのですが、なかなか見る機会に恵まれなかったので、心底から感謝~~それもフィルムでの上映だったので本当に嬉しく思いました:-))))))))))

そして《やまがたと映画》~~。先ず山形出身の<女優・横山エリ篇>では、大島渚の「新宿泥棒日記」を42年振りに再見しました!
脚本に足立正生が加わったこともあって大島作品は益々大胆~~紀伊國屋書店の田辺茂一社長や天才画家・横尾忠則などを横山リエに絡ませて天下御免の“新宿ムービー”となりました!
中でも
光っていたのが、二十代の唐十郎~~絖(ぬめ)っとした爬虫類のような感触が、不気味な魅力を放ちます:-))))))))))

次に<やまがた・映像の未来篇>では「僕らの未来」と、園子温監督作品「風」とを続けて見ました。
「僕らの未来」は東北芸工大の学生が作ったビデオ作品で、《PFFアワード2011》の審査員特別賞~~ということで、先生の加藤到はとても喜んでました!
「風」(1998)は風の町として知られる山形県立川町のPR作品でしたが、あの若松孝二監督が風車の行商人の役で熱演していたので吃驚させられました!

そして、<YIDFFネットワーク企画上映>として取上げられたのが「よみがえりのレシピ」~~作者の渡辺智史は東北芸工大の出身者で、卒業後IF映像研究所に入所~~その後小川プロのメインスタッフとして活躍していた飯塚監督に師事しています。
前作・「湯の里ひじおり-学校のある最後の年」(2007)に続いてふる郷・山形を取材したこのビデオ作品は、細々と残った県内の在来作物を山形大学農学部の准教授のアドバイスなどから探し出し、焼畑農業で栽培されている昔ながらの蕪栽培を初め、野菜市場では歓迎されなくなってしまった在来種の赤ネギ、ゴボウ、ナス、大根、ほうれん草などを農家の人たちなどの言葉を使って紹介してゆきます。

更にそれらの在来作物を、県内・鶴岡市にあるイタリア料理店のシェフが「素材の味を活かすことにこだわって」作った数々の料理が並び~~試食に集まった生産者の方々の舌鼓に、こちらもつられて涎が出てきました:-))))))))))

ともあれ、この作品にはほとんどナレーションはなく、農家の人たち、山形大学の先生、料理店のシェフなど、登場人物からの言葉で綴ってゆきますが、渡辺のその“言葉を引き出す”能力に、感心させられました!
尚、この作品は東京などでも上映されるそうですので、御高覧頂けたらと思っております。
※ 上は、 「よみがえりのレシピ」のチラシの部分です。


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No.11 2011.9.26 今度はカナダのマッギール大学で~~:-))))))))))))   

7月に開催されたロンドンでの“Visuale Underground in London”と関連した形の“Visual Underground in Montreal”がカナダのマッギー大学で、9月16日、17日、18日の3日間開催されました。

今回は、作品のみの参加となりちょっと残念ですが、そのトップバッターとして初日の午前中に『無人列島』と『Good-bye』が上映されました。
このイベントは、日本の1960年代の自主映画&実験映画と、映画研究者による研究発表などから構成されていて、上映作品としては他に松本俊夫の『石の詩』、『つぶれかかった右眼のために』、『エクスタシス=恍惚』、『アートマン』、『色即是空』。足立正生の『椀』、『銀河系』。岡部道男の『クレージーラブ』。城之内元晴の『プープー』、『ドキュメント6.15』、『Wols』、『土方巽』、『ゲバルトピア予告編』、『新宿ステーション』などです。(詳細は主催者のweb =Visual Underground

さて、海外でのぼくの作品上映は、処女作・『無人列島』(1969)がスイスの“ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭”で大賞を受賞~~その時その会場で見たマックス・テシエ(フランスの映画雑誌「ECRAN」の同人)によって高く評価され、彼の手によりヨーロッパの各地で上映されました。更にイギリスのトニー・レインズが加わって、ロンドン映画祭を中心に度々イギリスで上映され、海外の映画誌などでも取り上げられるようになりました。

特に印象に残っている“海外上映”では、テシエによる『王国』のカンヌ映画祭(1974)での上映。そしてレインズによる『無人列島』のエジンバラ映画祭1984=“日本映画の25年”での上映、更に1999年には35mm版で『無人列島』があの衣笠貞之助作品:『狂った一頁』とペアでの“IFFロンドン”上映~~衣笠監督は大映時代の師でしたので感激でした:-))))))))))

その後、『前衛仙術』(2003)が第50回オーバーハウゼン国際短編映画祭で“国際批評家連盟賞”を受賞、その第53回映画祭では“金井勝回顧展”があり、更にケルンにある日本文化センターでも“金井勝個展”が開催されました。

また2009年には、イェール大学主催のイベント=“East Asia in Motion”にメイン・ゲストのひとりとして参加し、同年に発売したDVD-set“The World of Kanai Katsu”による上映会がカナダのトロントでありました=“The Deserted Archipelago & The Kingdom”。
こうした流れがこの“夏のロンドン”へ、そして“秋のモントリオール”へと繋がってきたように感じられます:-))))))))))

こうした中で、世界の沢山のweb siteから(ひと目で分かる)“有難い頁”を見付けました!
王国』、『無人列島』、『Good-bye』、『時が乱吹く』そして『微笑う銀河系三部作』、またこちらはタイ語で綴られた“日本の前衛的映画”の頁です:-))))))))))

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No.10 2011.8.23 ロンドンで素晴らしい“出会い”が~~:-))))))))))))   
1962年からおよそ30年間~~新宿伊勢丹の道路を挟んだ東隣に、国内外の意欲的な映画や実験性の高い演劇などを公開していた“アートシアター・新宿文化”という映画館があり、新しい芸術活動の大きな拠点となっていました。
その辺のことは、葛井欣士郎×平沢剛の「遺言 アートシアター新宿文化」(河出書房新社)をご覧頂ければお分かりになると思います。
その憧れの映画館のレイト・ショーで、処女作・『無人列島』(’69年 35mm)が封切られたことをぼくは今でも光栄に思っております。
更に、’67年にはその劇場の地下に“アンダーグラウンド蠍座”が誕生~~主に16mmの自主映画や実験映画、若松プロの作品などが公開され、’71年には、《金井勝のニュー・シネマ・コンセプション》と銘打って 『Good-bye』と『無人列島』が、更に’74年にはそこに新作の『王国』が加わって、《金井勝の微笑う銀河系三部作》が上映~~この“蠍座”とぼくの作品たちは相性が良かったとみえて何時も盛況でした:-))))))))))
さて、その“蠍座”や“新宿文化のレイトショー”で公開された作品を中心にした“日本の実験映画特集”を、東ロンドンに拠点を置くCLOSE-UPが提供~~ユニークな劇場=“Working Men's Club”で上映とトーク、更にロンドン大学バーベック校でも上映とシンポジュームがあり、《微笑う銀河系三部作》を引っさげて行って来ました。                                                                                                                                                      
   
 ’60年代の“蠍座”の写真が使われたフライヤー 左から、
ロンドン大学のオリバー・デュー君、CLOSE-UPのスタッフとサンヴィル代表、
小生、明治学院大学の平沢剛氏、リーズ大学のジュリアン・ロス君
そのポスターなどには、’60年代の“蠍座”の写真が使われていて、「THEATRE SCORPIO SEASON JAPANESE INDEPENDENT AND EXPERIMENTAL CINEMA OF THE 1960s」 (蠍座における’60年代の日本の自主映画と実験映画シーズン)とあり~~ぼくが招かれたのも、それほど不思議ではないような気も致します~! 

期間は、7月の12日から31日までで、
東ロンドンにある“Working Men's Club”での上映作品は、大林宣彦の『食べた人』(藤野一友との共同演出)と『Complexe』。日大映研の『椀』(=足立正生)。大島渚の『ユンボギの日記』。城之内元晴の作品集として、『プープー』(=日大映研)、『ドキュメント・6.15』、『Wols』、『土方巽』、『日大大衆団交』。そして蠍座の杮落し(こけらおとし)作品である=足立正生の『銀河系』へと続きました。

ここでの最後は、《An Evening with Katsu Kanai:Smiling Milky Way 》と題されて、『無人列島』と 『Good-bye』の上映と、自己解題の後にQ&A~~特に 『Good-bye』への関心は高く、何時までも続く質問に地下鉄の最終に乗り遅れるところでした。

そして、“FLAT TIME HOUSE”に場所を変えて、城之内の『ハイレッドセンター シェルタープラン』、『新宿ステーション』、『ゲバルトピア予告編』が上映されました。

30日には、“ロンドン大学のバーベック校”~~欧米の映像研究者を中心にしたシンポジュームの後、日大映研の『鎖陰』(=足立正生)と、ぼくの『王国』、そして31日に岡部道男の『クレイージー・ラブ』が上映されました。

『王国』の上映後のトークでは、長い間日本の実験的な映画をイギリスに紹介してこられたトニー・レインズ氏が司会と代表質問をしてくれましたので引き締まり、充実した時間となりました!                                                                                                                                                                      
   
 左から、オリバー君、小生、ジュリアン君とトニー・レインズ氏
通訳は14歳まで日本で育ったジュリアンです
 満席の客席~~カナダ、アメリカ、フランス、オーストリアなど
から来た研究者の顔もあります
                                                                                                                                            どこの上映会場も盛況~~そこにはまた、ぼくにとって予期せぬ出会いや嬉しい話も有りました:-))))))))))

まずDVD-box:[The World of Kanai Katsu]を購入してくれていたタイの青年が、なんとその上映会場に現れたのには吃驚~~彼は今ロンドンの大学で《数学》を勉強中だそうですが、ぼくの作品を含めた《映画の本》を来年中には出版するそうで、今から楽しみにしています:-))))))))))

また主催者のひとり、ロンドン大学のオリバー君は、イェール大学(アメリカ)院生=山本直樹氏の紹介で、数年前に新宿でお会いし、その後山形映画祭でも会ったことのあるご仁~~彼がいま取組んでいる博士論文が 『Good-bye』論だそうで、これまた吃驚です:-))))))))))

上映スタッフは、“CLOSE-UP”のメンバーですが、彼らもまた映像作家であるために上映はパーフェクト~~心から信頼できる友人を得ました:-))))))))))

そして、秋にはこのイベントの《縮小版》がカナダのMcGill大学で開催されますが、実はその大学では既にぼくのDVD-boxを購入してくれていたことを知り、これまた吃驚~~ぼくの作品では『無人列島』と『GOOD-BYE』が上映される予定です:-))))))))))

また、ケンブリッジ大学に留学しているという京都出身の学生が出現~~「以前から『王国』のことは聞いてましたので来ましたが、とても良かったです~~大学にも前衛作品に関心がある者がいますので話しておきますょ」ということでしたが、40年前に撮った作品が、若い人たちに興味を持って頂けたということでとても大きな勇気を頂きました:-))))))))))

平沢氏から頂いた最初のメールには、「リーズ大学のジュリアン・ロスとロンドン大学のオリバー・デューという若い研究者二人が主催者で、私が全体のプログラムのお手伝いをしております~~」とありましたが、中でもジュリアン君はまだ弱冠23歳~~彼らの若い情熱によって、’60年代~’70年代のあの伝説の“蠍座”が、時空を超えてロンドンの地に甦りました:-))))))))))

更に若き二人は、レインズ氏や平沢氏などとともに、BFI劇場で8月1日から始まった“日本のアートシアター作品集”にも参画~~更に大きく羽ばたいてゆきます:-))))))))))

CLOSE-UP ★ 60年代日本自主映画・実験映画特集 ★ ロンドン大学でのシンポジューム

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   No.9 2011.7.8 あの南国の爽やかな風が~~:-))))))))))))   

あの東日本大地震から続く、天災&人災に気が滅入ってしまって、気がつけばこのHPも2ヶ月以上、、、サボっていました。誠に申し訳ありませんでした。
しかし、全ての風がぼくにとって逆風だったという訳ではありません。金子遊編著の「フィルムメーカーズ」でのぼくのインタビューもそれなりに反応がありました。
また7月下旬にロンドンで開催されるイベント:《旧作の上映&シンポジューム》に招待されることになりましたが、その研究者からもあのインタビューについての興味あるメールを頂いており、この件については帰国後にまたご報告させて頂きます。

ところで、右の写真の植物をご存知でしょうか~~?
ハイ、そうです~~ 昨今 鉢植え植物として人気の高いブーゲンビリアです。

初めてぼくがこの熱帯植物の存在を知ったのは、ほぼ40年前のガラパゴス~~ 『王国』という映画のロケーションで、それはぼくたちが基地としたサンタ・クルス島のジミー・ホテルの庭先にあって、紺碧の大空の下に紫の花々を鏤めた巨樹だったのでした!

その後、沖縄へ旅した時にかなり大きなブーゲンビリアを見たことがありましたが、やはりこの植物は“鉢植え”ではなく、“地植え”がいいのです~~!
そこで大冒険~~ 根元に工夫を凝らして“越年”にトライしてみました:-!!!!!!!!!!!

しかしいろんな資料を調べてみても、最低気温が“0度以上”なければ無理だとあり、都心より5度は低い高幡不動ではやはり駄目かと思っていたところ~~ 枯れたと見えた枝から芽が吹き出していて吃驚~~現在は1メートルを越えました:-)))))))))))))

多分、もう少ししたら~~ わが高幡にガラパゴスのあの爽やかな風が吹く!~~ と、信じています!

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   No.8 2011.4.28 金子遊 編著:「フィルムメーカーズ」の出版!


私ももうすぐ七十五歳~~ 処女作『無人列島』を発表してからも四十二年が経ちました。この間、国内外で“金井シネマ”はそれなりに評価を得、憧れのオーバーハウゼン国際短編映画祭では“回顧展”、そしてイェール大学主催のイベント“East Asia in Motion”にも招待され好評を博しました!

そしてこの度、
金子遊編著「フィルムメーカーズ 個人映画のつくり方」という単行本が上梓され、国内十名の映像作家の内のひとりとして参加させて頂きました。

本書の構成は三章からなっていて、その第一章は《個人映画を学ぶ》で、海外四人の先達によるインタビュー。第二章は《個人映画をつくる》で、ぼくは「インディペンデント映画の先駆者」という〈小見出し〉で登場します。そして第三章は《映画を見る》~~ここでは内外十四人の作家論が展開しており、ぼくのは岩本憲児氏による「阿々大笑する宇宙」です:-))))))))))

目次は以下の通りですので、映像表現に興味のある方は、ご高覧のほど宜しくお願い致します。

発行所:有限会社 アーツアンドクラフツ 定価 本体 2,500円+税
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  序文 「個人映画の世界」  金子 遊
   

  第一章 個人映画を学ぶ

    「8つの質問」 スタン・ブラッケージ (とちぎあきら 訳)
    「個人映画と商業映画」 マヤ・デレン (飯村昭子 訳)
    「芸術形式としての映画」 マヤ・デレン (飯村昭子訳)
    「映画制作・批評・上映運動」 ジョナス・メカス (金子遊 訳)
    「クリス・マルケルへのインタビュー」(一九六八) (金子遊 訳)
    「クリス・マルケルへのインタビュー」(一九九六) (金子遊 訳)

  第二章 個人映画をつくる

    「実験映画の実践 私の初期と後期」 松本俊夫
    「日常を撮り続ける」 かわなかのぶひろ
    「実験映画・概念芸術・ビデオアート」 飯村隆彦
    「インディペンデント映画の先駆者」 金井勝
    「極私的な世界を撮る」 鈴木志郎康
    「詩的ヴィジョンとビデオカメラ」 吉増剛造
    「ビデオアートとフェミニズム」 出光真子
    「実験映画のトップランナー」 伊藤高志
    「私の肉体が滅びるとき、私の映画もまた死す」 原將人
    「ドローイング・アニメーションの魔術」 石田尚志
    第三章 個人映画を見る
     スタン・ブラッケージ  「スタン・ブラッケージの原点」 水由章
    マヤ・デレン 「マヤ・デレンを知るための視点」 広瀬愛 
    ジョナス・メカス 「Lavas Vacaras!(こんばんは)」 正津勉
    クリス・マルケル 「シネマ・エッセイ 詩はストリートにある」 金子遊
    松本俊夫 「松本俊夫の拡張する実験映像」 西村智弘
    かわなかのぶひろ 「かわなかのぶひろの『共有される記憶』」 阪本裕文
    飯村隆彦 「アメリカ実験映画作家の群像」 クリストフ・シャルル
    金井勝 「阿々大笑する宇宙」 岩本憲児
    鈴木志郎康 「日常を撮るとはどういうことか?」 上野昴志
    吉増剛造 「『gozoCine』の貧しさとしたたかさ」 岡村恵子
    出光真子 「リアル・ワールドに切れ目を」 金恵信
    伊藤高志 「伊藤高志ワールドに魅せられて」 黒坂圭太
    原将人 「一つの時、一つの生、一つの映画」 高祖岩三郎
    石田尚志 「絵画と映画の間あるアニメーション」 越後谷卓司
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No.7
 2011.2.13 「生き物たちの過ぎゆく風景・・・!」



昨年の夏の猛暑とこの冬の酷寒~~ その上に家の改築などが重なったためか、『聖なる劇場』や『前衛仙術』(共にぼくのビデオ作品)の出演者としてもお馴染みだった、幾つかの動植物が姿を消しました・・・。

庭木としては、風薫る季節に芳しい香りを漂わせていた白花のライラック、ぼくの大好きな花=石楠花も五株のうち赤とピンクが枯れ、繁殖力旺盛に見えた三っ葉木通(アケビ)も急に元気を失くしました。また檸檬の樹も霜で打撃を被り立ち直れるかどうか~~ とても心配です。

一方動物の方では二十年近く池の主として君臨してきた金と銀のカップル鯉~~ 先ずそのうちの"銀鯉"が晩秋に亡くなり、今年に入って"金鯉"もその(五十糎余りの)巨体を寒空の下に仰向けて息を引き取りました~~ "飴坊"と睨み合い、"殿様蛙"と闘っていたその勇姿を、あるいは思い出される御仁もいるやも知れません・・・。
寂しくなった我が家の庭の風景ですが、春になれば生き残ったものたちが力強く息吹いてそこに新しい世界を展開させてくれると信じております~~!
まぁ、そんな今日この頃ですが、競馬だけは相変わらず巧くいってまして、"負けない法則"を会得したような気が致します:-!!!!!!!!!!!
とは申しましても、あくまでもそれは"負けない法則"であり、"必勝の法則"ではありませんので数十万、数百万の儲けとは縁がありません。

謂わば"週給"の形で、慎み深く頂戴いしてるという、次第なのです :-))))))))))

   
 うら寂しい池の周りの風景  新しい池の顔となった"苔島"
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No.6 2011.1.8 「明けましておめでとうございます」


明けましておめでとうございます~~ と、いってももう八日~~ 七草粥の残りを啜りながら、時の流れの速さに改めてびっくりしました!

さて、それでも若い時に頑張ったお陰で、歳を取ってからも思い掛けない形で"Surprise"が転がり込んできます:-)))))))))

例えば、2007年にはドイツの“オーバーハウゼン国際短編映画祭”とケルンにある“日本文化会館”で、個展を開催して頂けました!
また2009年にはイェール大学
(アメリカ)主催のイベント"East Asia in Motion"にメイン・ゲストとして参加させて頂きました!

そして昨年は、この"Weekly"でお馴染みとなったトロント
(カナダ)の映画人たちとの交流~~ これもその"Surprise"のひとつで、上映会の主催者からのメールには "People(=Spectators) were blown away by your images and stories!" とありました!
そして、その"Surprise"は競馬にも飛び火して、秋の重賞レースのほとんどを"三連単"でゲット、その勝運は年を越えても衰えず、"中山金杯"は外したが、"京都金杯"はゲットしました!
そして今日~~ 何時もは土曜日はやらないのですが、付いてる時は"買え!"という訳で、中山11レース"招福ステークス"に挑戦して〈三連単・2頭軸マルチ〉で取りました:-)))))))))))
この〈三連単・2頭軸マルチ〉~~ 本目サイドの2頭から流しても、三頭の着順次第で凄い配当になることがありますので面白いですよ!


勿論明日の勝負は、
京都の"シンザン記念"と、中山の"ジャニュアリーS"の2レース~~ 多分、勝てると思っています:-!!!!!!!!!!!!

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No.5
 2010.12.12 海外で上映することも考えてみませんか~!

カナダの トロントでぼくの映画を上映してくれたメンバーのひとり・クリス・マッギー(Chris MaGee)氏が来日し、先月の22日には若手作家数名の作品を私の家で見てもらいました。
マッギー氏は、それらの作品に大変興味を示してくれましたが、トロントに持ち帰ってスタッフたちと協議してからでないと決められないとのことでした。

貰った名刺には漢字で《新世代映画祭》とあり彼はそのプログラマー~~ 今度の目的はそのトロントでの《日本映画祭》に合った作品を探しにきたようで、翌日はシアター・イメージフォーラムで上映中の《和田淳と世界のアニメーション》を見てゆきました。

まだ日本では余り知られていないこの《新世代映画祭》~~ 関心のある方は新世代 CINEMA Torontoで検索してみて下さい。

また先日、ドイツの《オーバーハウゼン国際短編映画祭》から〈国際コンペ〉に出品するよう要請がありましたが、「ぼく自身には新作がないので無理だが、ぼくのHPを見て出品したと聞く真利子哲也&大山慶の2人が既に受賞しており、今回も何人か有望な新人が出品すると思います!」~~と、メールしておきました~!
ちなみに大山慶~~ 交換留学生として今カナダのヴァンクバーにいる彼のHPにはうらやましくなる人間関係が綴られいますので、ご訪問してみては如何でしょうか:-))))))))))))))

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No.4 2010.11.19 葉山に"古賀春江の全貌!"を見に行ってきました!


先日、映像作家のかわなかのぶひろ氏から古賀春江の展示会の話を聞きましたので、《神奈川県立近代美術館葉山》に行ってきました。

長い間《神奈川ニュース映画協会》というところでTVドキュメンタリー番組を作っていましたので、県内のことなら何でも知っているつもりでしたが、そこに近代美術館があるのは初めて知りました!

自宅から京王線-JR・南武線-京浜急行と乗り継いで、更に新逗子駅からはバス~~車窓からかつて取材したことのある日影茶屋(大正5年に大杉栄が神近市子に刺された茶屋)、葉山マリーナ、森戸海岸などを懐かしく眺めながら18分~~三ヶ丘のバス停の前が、《県立近代美術館葉山》でした。

さて、古賀春江といえば《シュールレアリズムの画家》として知られていますが、この展示会で彼のヨーロッパ美術への憧れをしかと見届けました。
そこにはフォービスムがり、キュビスムがあり、アブストラクトや、明らかにパウル・クレーを思わせる作品があり、そして辿り着いたのがシュールレアリズムの世界~~当時その画風の変貌ぶりから《カメレオン》と揶揄されていたそうです。

しかし、代表作のひとつである右の『海』(1929)などには、ヨーロッパのシュールレアリズム作品とは一寸違う、独自なモンタージュがあり、今でも人の心を惹きつける力が十二分にありました:-)))))))))))))))

場所が場所だけに混雑はなく、ゆったりと鑑賞できます。また日本のこうした作家の展示会は滅多にありませんのでこの機会に是非どうぞ! 最終日は11月23日です。
潮の香りに誘われて
博物館脇の小道を下ってゆくと
直ぐに相模湾が広がって
その真正面に霊峰・富士~~素晴らしいロケーションです:-)))))))))))
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No.3
 2010.10.12 上映会は"a HUGE success!!!!!"


先の「トロントでの上映会(9.25)」でもお知らせしましたが、その主催者から「上映会大成功!」の嬉しいメールとともに、写真が送られてきました!

10月1日に、ぼくのDVD-box 「金井勝の世界=The World of Kanai Katsu」のdiskを使っての上映会が、カナダのトロントで行われ、その会場は主催者・Ms.Naomi Hocuraの“loft apartment”~~で、左の写真にある彼女の仕事部屋として使っているアパートの一室でした。

上映作品はおよそ40年前の『無人列島(’69)』と『王国(’73)』、観客は35名~~ 部屋の広さから考えると丁度いい人数なのかも知れません。

その観客の中には何人かの重要な映画記者もいたそうで、その反応は極めて良好~~ メールには"THEY LOVED THEM!!"とありました:-)))))))))

ともあれ、こうした形での上映会が、ぼくのDVD-boxを購入してくれた人たちの手によって、世界のあちこちで開催されれば、作者として冥利に尽きるのですが..............!!!!!
   
 『無人列島』の一場面と観客  スクリーンを見詰める観客たち


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No.2 2010.10.3 金井雄二の散文詩集・「ゆっくりとわたし」

金井雄二の五冊目となる詩集「ゆっくりとわたし」(思想社 定価2,500円+税)が出版されました。
実をいうと、昨年の正月に鈴木志郎康(詩人で映像作家)さんからメールをもらって、その時にぼくも初めて身内に詩人がいたことを知らされたという次第です!

しかし彼の方はこちらのことを既に知っていて、「是非とも会いたい」と~~そこでその仲介の労を詩壇の大先輩・志郎康氏にお願いしたのだそうです。

そこで2月のある日、渋谷の喫茶店で3人で会うことになりました。その辺のことはこの詩集の中の「巡り巡って血がさわぐ」(P-126)でも触れています。

既に幾つかの詩の賞を獲得していて詩壇の言わば中堅詩人~~その彼とぼくとの関係を掻い摘んでいうと、父の従兄弟の孫が彼でした!

母は8人兄弟&姉妹だったので縁者は沢山おり、その従兄弟のひとりが小林崇利で、島尾敏雄の研究者としてご存知の方もいるかも知れません。一方、父方(=金井家)の方は祖父の代も父の代も兄の代も、夭折した者を除くとごく限られた人たちだけです。ですから再従兄弟(またいとこ)の子にあたる彼は遠縁といえば遠縁ですが、縁者の頭数に於いてはかなり近い存在なのです!

さて、この「ゆっくりとわたし」は彼の初めての散文詩集です。
分かり易い文体で、幼少期の記憶を思い起こしたものも多くあり、それは映像による《パーソナル・ドキュメンタリー》などにも繋がるところがあります~~ 何を撮ろうか迷っている人には参考になる詩集だと思います。

ともあれ忽然として現れたこの“詩人”にちょっと吃驚しましたが、我が一族の“誉れ”と思って見守ってゆきたいと思っておりますので、ご贔屓のほど宜しくお願い致します。


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No.1 2010.9.25 「トロントでの上映会!」

DVD-box 「金井勝の世界=The World of Kanai Katsu」の自主制作・自主販売を始めて1年半が経ちました。丁度それはリーマン・ショックと重なり、思惑通りにはゆきませんでしたが、それでもDVD-boxの制作費などの回収は済んでいて、既に黒字です:-)))))))))))

そして近頃、世界のあちらこちらで面白い動きが始まりました。
国内では大学などのライブラリーや大学教授などを含む映像研究者などがDVD-boxを購入してくれましたが、国外でも同じようにライブラリーや研究者が主なユーザーです。そしてそれらの人たちの間から、その購入したDVDを使っての上映の《許可願い》が幾つかやってきました。こちらとしては勿論OK~~ 右の写真はカナダのトロントでの上映会のポスターです。

時は10月1日。場所は街中の大きな倉庫の中。
午後に『無人列島』を、夜に『王国』を上映~~その幕間に地元のバンドが入って盛上げるのだそうです :-))))))))))
トロントの上映会
トロントのChris MaGee氏のHP

一方、タイで購入してくれたユーザーと、その仲間たちも熱く燃えていて、こんな嬉しいサイトを見付けました :-))))))))))
http://celinejulie.wordpress.com/2010/01/02/favorite-things-in-december-2009/

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