月刊"勝丸"-2014
    
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No.35 2014.12.03 瀬戸内の前衛的美術に逢いに行く:-))))))))))

TVで何度も紹介されていた≪瀬戸内国際芸術祭≫~~そのART SETOUCHI 2014の秋が11月の16日で終了しましたので、ゆっくり見てこようと妻と出掛けてみました。

先ず高松市内のビジネスホテルに陣を構え、四泊五日の島巡り、美術作品巡り~~しかしここで気を付けなければならないのはフェリーなどの船の時間と、それぞれの島内を走るバスの時間です。共に便が極めて少ないため、下手をするとホテルに帰れなくなるからです!

さて、もうご存知かと思いますがこれらの島々の人口は高度成長期あたりから減少の一途をたどり、それと相俟って産業廃棄物の不当投機の格好の場所となりつつあったのでした!
そこで何としても瀬戸内の島々の活力と美観とを取り戻そうと、現代美術を通して世界に発信したのが2010年の≪瀬戸内国際芸術祭≫でした!

オフとなった今は七つの島々と高松市などでアートが展示されておりますが、何と言ってもその中心はおよそ20年前に安藤忠雄が設計して誕生した"ベネッセハウス ミュージアム"がある直島
(なおしま)です。
更にそこに安藤設計による"地中美術館"や"李禹煥美術館"が誕生~~ちょっと離れた集落には民家から神社までをもアートにしてしまった"家プロジェクト"と呼ばれるものなどが沢山生れて、ここは正に"瀬戸内モダンアート"の総本山なのです:-)))))))))))

それらの作品群の中で私が映像作家であるためか、最も惹かれたのは"地中美術館"にあるジェームス・タレルというアメリカ人の作品=『オープン・フィールド』でした!
彼は主として光と空間を題材にしておりますが、特にこの『オープン・フィールド』では見学者を自分の作品の中に引き込んで体感させようとしており、その緻密な計算に仰天させられました:-))))))))))

一見、試写室を思わせる展示室~~その正面には柔らかなブルーのスクリーンが見えましたので、そこに何かが投影されるのかと思っておりましたら、やがて係の女性が「靴を脱いで階段を上って下さい」と言いましたのでそれに従って進むと、目の前に迫った巨大なスクリーン~~立ち止まっていると、係の女性は更に進めと言いました!
スクリーンに見えていたのは実在する"幕"ではなく、タレルが編み出した光の幻想的な現象(?)~~そこはブルーのステージとなって更に奥まで続いていたのです!
が、振り返って更に仰天~~上って来た階段の奥の壁は白かった筈でしたが、それが一面オレンジ色となっていただはありませんか!~~多分、暫くブルーの空間の中にいたので、私達の網膜がブルーの補色であるオレンジ色を勝手に作り出していたのかも知れませんね:-)))))))))
   
宮浦港で観客を出迎える
草間彌生の『赤かぼちゃ』
ジェームス・タレルの大傑作
『オープン・フィールド』
 
 大竹伸朗の 『I ♡ 湯』
今も入浴可能なアートな銭湯


豊島
(てしま)にも極めて独創的な作品がりました。島民と一緒になって再生させた棚田の脇に、アーテスト;内藤礼と建築家;西沢立衛によって2010年にオープンされた『豊島美術館』です!
水滴をイメージさせたというユニークな外観、空に向かって大きく口を開いた大小
2つの空間から光と風と音を取り入れ、電気が使われていない展示場~~しかし、広くて緩やかな床の上を転がっては留まる小さくてそして重要な展示物="水滴"の存在を発見するまでには、暫しの時間が必要でした!

日本画の美人の肌を思わせるような白い床を目を凝らして眺めていると、その美肌にある毛穴のような所から汗がゆっくりと浮き出してきて、やがてそれが水の玉となってちょっとの距離を転がってゆくのです! あちらでも!そしてこちらでも!ゆっくりと:-))))))))))

先日旧友に偶然会ったら、「時々HPを見てますが、随分海外へ観光旅行に行ってますよね!」~~と、笑われましたが、私としては「老い先短くなった今、何としても内外の本物のアートを見ておかなければ!」と、本気の旅をしているのであって、決してただの物見遊山ではないのです!

作品;『豊島美術館』は、ローマのシスティナ礼拝堂で出逢ったミケランジェロのあの『最後の審判』の時のようなダイレクトな衝撃とは逆の、爽やかさの中に奥深さを秘めたその斬新な発想に、大きな感銘を受けました:-))))))))))


この豊島では、フランス人のクリスチャン・ボルタンスキーの『心臓音のアーカイブ』に立ち寄った後、『豊島横尾館』に行きました。日本を代表するアーティストのひとり横尾忠則と建築家・永山裕子のコラボレーションです!

建築は古民家を改修したもので、母屋、納屋や倉などに『宇宙的な狂気愛』や『葬の館』などの油絵が展示されていましたが、ここはアートを活かした「葬館」なのだそうで、赤く塗られた庭石やガラスの床、更に天に向かって聳え立つ巨大な塔~~その内部の『滝のインスターレーション』はなかなかのもので、建築家・永山の力量を感じさせて、お見事:-))))))))))


     
 内藤礼&西沢立衛の
豊島美術館」
横尾忠則&永山裕子の
「豊島横尾館」
 「二十四の瞳映画村」の教室に
展示されたカメラ:ミッチェルと

他に巡った島は犬島、男木島、小豆島~~これらの島々のアートについても触れたいのですが、それはまたの機会に致しまして、この≪瀬戸内国際芸術祭≫とは無関係なのかも知れませんが、映画人の端くれとして「二十四の瞳 映画村」を素通りする訳にはゆきません!
ほぼ50年振りに出逢った懐かしのミッチェル~~そして其処に展示されていた日本映画全盛期の沢山のポスターたちを眺めていると様々なシーンが甦って来て、≪20世紀は映画の時代だった≫と、心底から思いました:-))))))))))

※ 常連の訪問者から「もっと写真を見たい!」と言われましたが、実は私も同感なのです!
    欧米の美術館などでは館内での展示作品も撮影はフリーですが
       残念ながら我が国では殆んどが禁止~~
          やはり
日本は慎重すぎてそれが美術の魅力を半減させていると思いますが、どう思いますか!



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No.
34 2014.11.2 今年もいろいろと新しい動きがありました:-))))))))))


この春にPCを替えてからトラブル続きで、この月刊"勝丸"もこれではまるで"季刊誌"~~ご訪問者の皆様に大変ご迷惑をお掛けし、心から申し訳なく思っております。

さて、昨年の今頃はスイスのローザンヌ 映画祭とベルギーのブルッセル シネマテークに招待され、ヨーロッパの前衛思考の方々と接する機会を得て大変に充実した時間を過ごさせて頂きました!

昨年ほどではありませんが、今年も処女作=『無人列島』(1969)を中心に幾つかの新しい動きがありました:-))))))))

※ 私の作品たちはみな個性的で、ご覧頂いた方々の好みも激しいようですが、ともあれ45年前に誕生した『無人列島』があってこその≪かない勝丸プロダクション≫~~右は尼僧を演じる河西都子。


既に、この5月号&7月号でもご報告させて頂きましたが、≪オール・ピスト 東京映画祭≫からお声が掛かり推薦作品として『無人列島』と
『王国』(1973)の上映~~更にその関連で≪オール・ピスト サンパウロ映画祭≫と、フィリピンのマニラ映画祭で『無人列島』を公開して頂きました!

私の作品が、ブラジルやフィリピンで公開されるのは初めてでしたので、大変に有難く大いなる勇気を頂きました!
特にサンパウロの場合は英語では無理だということで、現地のスタッフによって≪ポルトガル語版≫を作成して頂いての公開となりましました:-))))))))))

私たちの作品上映のスタンダード・バージョンは、DV-CAMによる≪英語版≫ですが、フランス語圏のスイスやベルギーでの上映はその≪英語版≫で何ら文句なくOKでした!

が、相手がフランス人となるとそうはゆきません~~ボルドーのシュールレアリスムの集団から『時が乱吹く』(1991)の上映依頼がありましたが、どうしてもフランス語で上映したいということで彼らによって≪フランス語版≫が作成され、十月に公開されました!
またその『時が乱吹く』ですが、六月に≪ゆふいん文化・ドキュメンタリー映画祭≫でも上映され、関係者からの報告によると大変に盛況だったということでした!

さて、作り手にとって自分の作品たちが時空を超えてどの様に評価されてゆくのか?~~は、大いに気になるところであります!
そんな中で、来年の初夏に開催されるという海外の意欲的なイヴェントからもオファーがあり、何とか未来に繋げていければと思っております:-))))))))))

★因みにこれまでの
≪主な上映会・リスト≫




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No.33 2014.09.11 我が武州・高幡不動が、亜熱帯になりつつあることを植物たちが教示~~:-))))))))))

猛暑と寒冷が繰り返した今年の夏でしたが、そんな中で地球の温暖化が確実に進んでいることを身近な植物たちが教えてくれています!

私の大好きな花木のひとつに三葉躑躅
(ミツバ・ツツジ)
があります。
日本中部山地の低木落葉樹を観賞用に仕立てたこの庭木は、若葉に先立ちその全身に紅紫の花をいっぱいに着けて春を演出~~人々の心を浮き浮きとさせてくれます!
紅紫の花の他に清楚な白花があり、私はどちらかと言うと白花の優雅さに魅せられていました:-))))))))


さて、都心に比べると5度近くの温度差がある高幡不動~~この三葉躑躅がモノレール下の街路樹としても植えられておりましたが、排気ガスと太陽によって傷め付けられ、ここ数年の間にその殆んどが枯れ果ててしまいました!

そして英語でライラック、フランス語でリラ~~ヨーロッパが原産地の低木落葉樹で、これまた暑さを苦手にする花木です!
うちのリラの木は、2003年に作った『前衛仙術』という作品の中で、突然天から舞い降りて来た二羽の山鳩が子育てを始める巣の上で花開き、真白き房状の花々と芳香とを提供してくれました:-)))))))))

だがそのリラも数年前に枯れてしまい、二代目は白と紫の2本~~けれどもこの夏の暑さは特別だったので息絶え絶えの状態~~我が家の庭も亜熱帯化しつつある証拠でしょうか
:-!?!?!?!?

   
紫のライラック
葉がやられたが、新しい葉が芽吹き出す 
白花の三葉躑躅
猛暑で大きなダメージ受けている 

三葉躑躅が果たして≪アサガオのドーム≫で生き延びることが出来るのかどうか? そして白と紫のリラに若葉が芽吹きましたが無事に年を越せるのかどうか?~~ 私には今は判断できません

一方、暖かいところが好きな植物たち~~うちには庭木のレモンやカボス、そしてブーゲンビリアがあります。

ブーゲンビリアの原産地は中央アメリカ及び南アメリカの熱帯雨林です!
およそ40年ほど前に『王国』(1973)という映画でガラパゴス諸島にロケを決行しましたが、その時に基地にしたサンタクルス島のホテルの庭先に樹高6~7メートルの蔓状の木があり、それを覆い包むかのようにした紫の花々~~その美しさに感動させられました:-)))))))))

現在では鉢植えのブーゲンビリアはどこの花屋さんにもありますが、
私は何としてもここ高幡不動で庭木として育てようと、数年前からチャレンジしてきました!

亜熱帯化を大歓迎するこのブーゲンビリア~~、
越冬させる私の努力に、温暖化が重なって、今年は既に6メートルを超える高さになりました~~現在の花数は15程度ですが、毎年この花の盛りは10月から11月でしたので、大いに楽しみにしております
:-)))))))))


    
 
中世の武具を思わせるこれは
実は花ではなく 苞葉(ホウヨウ)
月を見上げる花たち
ガラパゴスを思い出させる朝方の画像
四種類の植物の棚
葡萄、ジャスミン、朝顔と、ブーゲンビリア


さて私の映画の夏の上映は、前にも触れた≪オールピスト 東京映画祭≫で『無人列島』と『王国』を、≪ゆふいん文化・記録映画祭≫で『時が乱吹く』を上映して頂きました。

更に秋に入ってブラジルの≪オールピスト サンパウロ映画祭≫でも『無人列島』が上映されましたが、南米での上映は初めてでしたので大きな勇気を頂きました:-)))))))))  関係者の皆様、本当に有難うございました!

下は、サンパウロの美術館のweb~~ポルトガル語で書かれていますが、上から3~4段目に私の紹介であり、その下の4枚の写真の右端がそのスチールです。


https://catracalivre.com.br/sp/agenda/gratis/festival-internacional-de-cinema-e-performance-hors-pistes-chega-ao-mis/
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N0.32 2014.08.07 暑中お見舞い申し上げます
~~:-))))))))))


2泊3日のツアーに行ってきました。
もう40年にもなりますが寺山修司監督の『田園に死す』(1974)に登場した恐山が頭の片隅に棲みついておりましたので、ここらで見ておこうと思い立ったのです。

わが国で現在一番速いという東北新幹線の≪はやぶさ≫に乗って七戸十和田駅で下車~~そこからは観光バスで太平洋に沿って北上し、やがて海抜878メートルの火山=恐山に着きました!
するとそこは、小高い山々が神秘な色の宇曽利湖(ウソリコ)を取り囲む盆地~~霊場として千二百年の歴史をその静かさの中に漂わせています:-))))))))))

だがその日は、乾燥した大気が全てを焼き尽くそうとしているかのような日で、40年前に見たあの映画の雰囲気とはかなり違っていました。また時代の流れの中で、神がかりになって霊魂を呼び寄せていたあの≪いたこ≫の姿を見ることは今は出来ません。
それでも、恐山でしか見られない非日常の光景がそこはかとなく展開しており、この小旅行の第一目標を先ずは達成出来ました:-))))))))))

     
 硫黄の匂いを熱風が運ぶ
恐山の霊場
あちこちにある風車の群れ
亡くした子供の霊を慰めるようにして回転 
 カルデラ湖の宇曽利湖
白砂と五色の水面が極楽浄土を彷彿

この乾ききった霊場を後に更に北上して本州の最北端=マグロ漁で有名な大間崎に向かうと、急に霧が立ち込め
てきてあの恐山の暑さは嘘のよう~~多分気温は10度以上は下がっていたでしょう、小雨も降り出しました!

青森で生まれ育ったというバスガイドさんは、このちょっとした距離でがらりと天候を変える風を≪やませ(=山背風)≫だと言いましたが、≪やませ≫の別名は凶作風、餓死風ともいい、夏の東北地方はこの冷湿な風が稲作の成長に大打撃を与えているのだそうです!

昔から東北の農民を悩ませてきた≪やませ≫~~そういえば山形県で稲の生態に取組んだ小川プロの傑作=『ニッポン国・古屋敷村』(1982)の中でも、稲作の敵としてこの≪やませ≫のことが度々出てきたのを思い出しました!

さて、その夜は本州最北端の温泉=薬研温泉に宿泊し、翌朝はフェリーで津軽半島に渡って先ずは龍飛岬へ~~この日も≪やませ≫が霧を産み、津軽海峡の彼方にある北海道の山影さえも見せてはくれませんでした。

ガイドさんの東北の夏祭りの話を聞きながらバスは津軽平野を南下~~太宰治の生家などを巡りましたが、私にとって1番の感動は≪世界自然遺産・白神山地≫にあった≪青池≫でした:-))))))))))

江戸時代の宝永元年(1704)にこの地を襲った大地震によって川が堰き止められ、沢山の湖沼群が誕生しましたが、その中にコバルトブルーの神秘的な水を湛える≪青池≫があり、季節、天候、時間などで神々しい変化を見せるそうです:-))))))))))

       
 竜飛岬の灯台をバックに  ヤマセの霧で隠された津軽海峡 白神山地の青池  青池のアップ


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No.31 2014.07.0
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 《インターネット・ライブ=
dommuneの威力~~:-))))))))))


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16日、恵比寿にある小さなビルの地下に連れられて行きましたが、そこは映像作家:河合正之さんのdommuneのスタジオでした!

(右の写真はそのスタジオの内部~~若いスタッフや作家たちが放送準備に勤しんでいました)http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/web-stadio.jpg
夕方の7時から前号でお知らせした≪オール・ピスト・東京≫の上映に関する情報番組があり、そのトップバッターとして22日に上映する「私のプログラム」のPR放送~~先ず、上映ディレクターの荏開津さんからの挨拶とこちらの紹介などがあり、私と東大博士課程の院生=角尾宣信さんとのトーク・ショーが始まりました!

目の前で河合さんが数台のビデオカメラを操り、モニターからは『無人列島』と『王国』の映像が流れる中で、『Good-bye』を加えた≪微笑う銀河系・三部作≫の制作意図から、当時の映画界のこと、更に当時の社会的状況なども巻き込んで展開していきます!

こうした≪インターネット・ライヴ中継≫は初めてだったので最初はちょっと緊張しましたが、段々とこのスタジオの雰囲気にも慣れてきて、角尾さんとの呼吸もあってきました!
更に天の巻である『王国』での≪決意≫や、その方法論として弁証法を駆使したことなどを話していると、哲学にも造詣が深い角尾さんもいよいよ乗ってきて意気投合~~アウフヘーベンで興奮状態に達しつつある自分たち二人をそこに感じてきました:-))))))))))(笑)

すると、スタジオの奥の方で本番中だというのにざわつきがおこり、後ろを振り向いた河合さんの
、「来てる、来てる!凄いアクセスだ~~!」と言っている声も聞えます:-))))))))))

放送中に初めて知った《インターネット・ライヴ》のこのシステム~~
dommuneでの映像と音声が、インターネットを通じてユーザーに直接放送されていたのです!

大和屋竺氏の鳥博士の熱演が映像で流れ出したところで、彼の一人息子で現在アニメ脚本家として大活躍する暁氏のことにも触れました。
父親の追悼上映会で『王国』を見て、彼がこの作品を高く評価してくれていたのを大和屋夫人から聞いていましたが、その彼の持ち馬=ジャスタウェイがフランスの凱旋門賞に挑戦することなども絡めて話しちゃいました!
サッカーのワールドカップでの日本が世界との差を見せつけられていた時でしたから、秋には我らのジャスタウェイの活躍に、夢を託したかったのです:-)))))))))))

ともあれ、20分の放送が倍近くなってしまいご迷惑をおかけしましたが、この《インターネット・ライヴ=
dommune≫の本当の実力を知ったのは帰宅後で、自分のHP≪映像万華≫のアクセス・カウンターを見た時でした:-))))))))))
何時もの訪問者数は45人で、多い時でも精々10人程度でしたが、その夜は何と150人を超えていたのです:-!!!!!!!!!!!!!!!!


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No.30 2014.05.24 拙作が≪オール・ピスト≫と≪ゆふいん映画祭≫に登場:-))))))))))


Windows XPからOSを8.1に替えいろいろと問題が発生しましたが、映像作家の吉本直紀さんなどのご協力で無事にHP≪映像万華≫のアップロードに漕ぎ着けることが出来ました!
3
月号と4月号を休刊したこの<月刊"勝丸">~~再発行の第一弾は、東京と大分で6月下旬に開催される2つの映画祭の告知です!

先ず≪オール・ピスト東京映画祭≫~~、622日(日)にアンスティチュ・フランセ東京(旧・日仏会館)で≪金井勝のプログラム≫が組まれ、≪微笑う銀河系・三部作≫の内の<人の巻>=『無人列島』1969)と<天の巻>=『王国』1973)が上映されます:-))))))))))

ちなみにこの「オールピスト」とはフランス語で「道を外れる」という意味だそうで、≪オール・ピスト映画祭≫は世界に知られるフランスの美術館=ポンピドゥー・センター・パリが主催する国際映画祭だそうです。
そしてその支部として≪オール・ピスト東京≫と≪オール・ピストサンパウロ≫
(ブラジル)があり、『無人列島』は秋に行われるそのサンパウロでも上映されることになっています!

 http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/mujin-1a.jpg

 http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/oukoku-yamat.jpg

 『無人列島』の串田和美と河西都子

 『王国』で鳥博士を熱演する大和屋 竺

さて、学園闘争真っ只中の’60年代末に制作したこの『無人列島』~~、当時大島渚監督の「全く新しい内容のものを、全く新しい方法論を用いて作らなければ映画として認めない。自己模倣も許さない!」という檄に刺激され、それまでにない新しいシューリアリズムに挑戦したのです!

出演者は、串田和美、河西都子、佐藤重臣、ゼロ次元などで当時を代表する前衛アートの猛者たち~~アートシアター新宿文化のレイト・ショーで封切られ、その後は主に自主上映と学園祭などでのレンタル上映で した!
またこの『無人列島』は海外でも評判が高く、アメリカのイェール大学主催の≪East Asia In Motion≫をはじめ、欧米などで度々上映されてきました。
誕生して44年を迎えた昨年も、ニューヨーク近代美術館、ブリュッセルのシネクラブでの〈金井勝選集〉、そしてローザンヌ映画祭での〈金井勝特集〉などで公開され、好評を博しました:-))))))))))

≪微笑う銀河系・三部作≫の掉尾を飾る
『王国』~~~~出演者はむささび童子、大和屋竺、城之内元晴、岩田信市などで、若き詩人が時間を司る神に挑戦するという大胆な発想でした:-))))))))))
その奇抜さが原因か~~評価は大きく別れましたが、「映画評論」のベストテンでは第9位に入り、「朝日新聞」や「日本読書新聞」の≪今年の収穫≫でも複数の評論家たちが推薦してくれました!
そして今も尚、内外の映画研究者や映画作家の間に
『王国』の支持者がいることは確かなようです!

当日私も舞台挨拶に行きますので、皆様方にお会いできれば幸甚です!
チケット= 一般; 1,500円、学生; 1,100円、会員; 1,100

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≪ゆふいん文化・記録映画祭≫では6月の29日(日)に映画評論家の野村正昭さんと観るドキュメンタリー映画の中で松本俊夫監督作品:『母たち』(1967)と金井勝監督作品:『時が乱吹く』(1991)が上映されます。

ご存知かとは思いますが、『母たち』は寺山修司の脚本による当時としてはとても斬新な記録映画~~ヴェネツィア国際記録映画祭でグランプリを受賞するなど国の内外で話題となった作品~~勿論私も胸を躍らせて上映会場に駆け付けました!

翌年松本監督は≪松本俊夫プロダクション≫を設立し、代表作:『薔薇の葬列』(’69)へと進むhttp://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/tokiga-2.jpgのですから、この『母たち』は彼の歴史の中で重要な位置を占める作品です。

一方私の方は≪微笑う銀河系・三部作≫が完結し、世の中もハリウッド映画の復活などによって〈メジャー エンターテイメント時代〉に突入しましたので自主映画は開店休業~~そこで〈神奈川ニュース映画協会〉というプロダクションでTVドキュメンタリーの演出に専念することにしました。

このプロダクションには記録映画の重鎮:野田真吉をはじめとし、長野千秋、城之内元晴などが契約者として働いていたため、スタッフたちはみな意気盛んでした:-))))))))))
そこでコンビを組んでいた撮影の細井靖明や照明の桑名平治などの協力を得て作り始めたのがこのオムニバス映画『時が乱吹く』1991~~実は’88年から毎年、「夢走る」、「一本勝負の螽斯」、「ジョーの詩が聴える」と短編を制作~~夫々をIFFで発表していたのです。

そんな時、協力者のひとり城之内が交通事故死したためにこれを《城之内元晴・追悼作品≫として纏め、自主作品として発表しました!

この作品は実験的な追悼作品にも拘わらず評価は高く、商業映画を中心とする「キネマ旬報」のベストテンでも20位に、「月刊・シティロード誌」では何と第2位でした!

また、海外上映での圧巻は<オーバーハウゼン国際短編映画祭>での《金井勝回顧展》~~そのプログラムで、この『時が乱吹く』、『聖なる劇場』そして『前衛仙術』 へと続く2時間余りは頗る盛況~~私にとって忘れられない時間となりました:-))))))))))

ともあれ、松本さんからも褒めて頂いた
『時が乱吹く』~~『母たち』と結び付けてくれた野村さんに心から感謝しております:-)))))))))))))))
日時:6月29日(日) 1000~12:20 「野村正昭さんと観るドキュメンタリー映画」
会場: 湯布院公民館
チケット= 当日+ 700円、 前売り券+ 500円、 フリーパス券; 3,500

ご来場の皆様との素晴らしい出会いを念じております!

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No.29 2014.02.27 大雪と五輪放送に振り回された二月:-)))))))))http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/yuki-fudou-1.JPG

高幡不動に越してきて半世紀近くになりますが、今年のような大雪は初めてだったので吃驚させられました!
興奮状態が
気温が都心より5度近くは低い高幡~~28日の午前中から降り出した初雪は一昼夜降り続け、翌朝家の前で測ったところ25センチにも達していました:-))))))))))

そこで都知事選に行ったついでにお不動さんまで足を延ばすと、雪景色の五重塔がこれまでに見せたことのない風情を醸し出しています。

そして雪掻き~~隣家のご主人がやっていたのでこちらもしない訳にはゆきません~~が、がすぐに溶けるだろうと思って、雪解け水の捌け口に重点を置き作業をしました。

しかし予想に反して今年の雪は溶け難く。更にそこに第2の大雪が深々と降り積もり、まるで雪国状態になりました:-))))))))))

そんな最中に冬季オリンピックが始まって、私の脳内はてんやわんや~~
興奮状態が収まらないので合羽を纏って未明の屋外に飛び出し雪掻きを開始~~30センチ余りの積雪を30メートルばかり掻き進みました!


ともあれ、早朝の五輪放送と大雪に振り回された2月でしたが、やっとこの頃溶け始めてきたようで、池之端の赤芽柳も大きく膨らませてきました:-))))))))))


http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/yuki-ike-1.jpg 

http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/yuki-yana-1.jpg 

 池の周りの残雪

 春遠からじを告げる赤芽柳


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No.28 2014.01.24 遅ればせながら謹賀新年:-))))))))))
http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/new-y-s1.jpg
旧年中は大変お世話になりました。お陰さまで個人的には充実した“喜寿”の年を過ごさせて頂いており、心から感謝致しております。

特に海外での旧作の上映~~新春にはニューヨークで、中秋にはヨーロッパで上映して頂き盛況~~その影響もあってかDVD-set[The World of Kanai Katsu] の方も内外の映画研究者の方々に購入して頂きました。またその中にはハーバード大学の図書館も含まれており、勇気を頂きました:-)))))))))) 
(詳細は月刊"勝丸"-2013

さてみなさんは、スクラップ・ブックなどきをちんと「整理している派」ですか?それともそう云う事には「無頓着派」ですか?
私の場合はそれほど熱心ではありませんが~~気になった新聞や雑誌の記事などを切り抜いたり、勤務していた大映撮影所での作品について、特に撮影助手として携わった《組》の資料などは漏らさず収集しようと心掛けてきましたが、そうしたことが後に思いがけない所で役立つこともありまた。

2007
年度の《オーバーハウゼン国際短編映画祭》で《金井勝 回顧展》を特集して頂きましたが、その時のインターナショナル・コンペの審査員のひとりにCHICAGO READERの編集長=ジョナサン・ローセンバウム氏がおりました。

彼はぼくの作品を見、更にトークにも参加してくれましたが、ロンドンの雑誌に「増村保造論」を発表した直後だそうで、帰国後に私がついた増村作品=『騙し屋』('64)と『夫が見た』('64)のスチールを添付で送りましたら、直ぐにその「増村論」のコピーを送ってくれました。

それまでアメリカの雑誌=CHICAGO READERもローセンバウム氏についても何の知識もありませんでしたが、2009年にイエール大学主催の"学会"《East Asia in Motion》に招かれた時、そこで出会った多くの学者がその雑誌:「シカゴ リダー」やローセンバウム氏から影響を受けたそうで吃驚~~スクラップ・ブックが役立ったという訳です!

大映を退社してフリー・ランサーとなった私は、様々な形で《映像》の仕事に携わってきましたが、その中のひとつにTVドキュメンタリーの演出がありました。
手掛けた番組は二百本余り~~その企画会議、ロケハン&取材メモ、台本、そして完成コメントなどを纏めて一冊のノートにしてきましたが、今となってはその資料の活用はほとんどなく、今後どうしたものかと悩んでおります(笑)。

 http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/new-y-k2.jpg

 http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/new-y-k1.jpg

 政治、科学、歴史などから自分に関するものまでの
スクラップ・ブック(の一部)

 TVドキュメンタリーのノート


そして、《かない勝丸プロダクション》に関するスクラップ・ブック~~その第一巻は《微笑う銀河系》人乃巻の『無人列島』、第二巻は《微笑う銀河系》地乃巻の『Good-bye』、第三巻は《微笑う銀河系》天乃巻の『王国』、第四巻は《ブラックホールⅠ》 :脚本『城門の蟹』、第五巻は《ブラックホールⅡ 》 著作:『微笑う銀河系』、第六巻は《歌・句・詩シネマ》 短編三作の『時が乱吹く』、第7巻は《歌・句・詩シネマ》完結編:『時が乱吹く』、そして第八巻は『聖なる劇場』 です。

この第八巻まではちゃんと収集してきましたが、2003年には『スーパードキュメンタリー 前衛仙術』というデジタル作品を制作・発表~~その辺りからスプラップ・ブックづくりに何故か疑問を感じ、遂に頓挫してしまいました。
先の《TVドキュメンタリーのノート》同様、後にとても重要になる筈だと思っていたことが、時間とともに薄れてゆくように感じたからだと思います。

現実問題として、自主制作・自主上映を貫いてきた私のような者の《スクラップ・ブック》に興味を持ってくれるような御仁は現れないだろう~~と思っていましたが、先日、若い映画研究者から「是非その《スクラップ・ブック》を拝見したいので続けていて欲しい」と言われました!

それ等の中にはその時代ならではの大切な資料なども含まれておりますので、冬の間に第九巻以降のページを確りと纏めてゆこうと考えております:-))))))))))

 http://www1.hinocatv.ne.jp/katsu/month-14/new-y-k3a.jpg

 《かない勝丸プロダクション》に関する
スクラップ・ブック
8冊と、左は作業中のもの



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