HARVAD FILM ARCHIVE
アンダーグラウンド-金井勝の幻想的なシネマ  (2020.5.20)

西洋ではほとんど知られていませんが、過激な映画のパイオニアである金井勝(1936年生まれ)は、日本のアンダーグラウンドフィルムの歴史において最も重要で独創的な映画製作者の1人です。金井は日本大学芸術学部で映画を学んだ後、大手の映画会社に入り、商業映画の技術を学んだあと、フリーランスとなって独立プロの撮影監督等をを務めました。 

1968
年、彼は自身の制作会社である≪かない勝丸プロダクション≫を設立し、彼の3つの紛れもない傑作、『無人列島』、『Good-bye』、そして『王国』を含む≪微笑う銀河系三部作≫を制作しました。『無人列島』はアンダーグラウンドシアターとアヴァンギャルドパフォーマンスグループのメンバーをフィーチャーした、金井のシュールで妄想的な戦後の日本のビジョンを描いています。

グロテスクで不気味な性描写の画像と1968年の政治的雰囲気の高まりのなかで反体制が混在した金井の急進的な実験は、それに驚いた聴衆に信じられないほどの影響を与えました。 彼の次の作品、『Good-bye』で彼は戒厳令の下韓国でロケを決行し、日本の植民地主義の問題に立ち向かい、彼自身のものを含む日本の祖先の歴史に挑戦しています。

クロノス神に挑戦する奇妙な人々を描いた『王国』は、金井にとって重要な新しいテーマである時間の問題を提起しました。
これらの映画のスケールは、アンダーグラウンドおよびインディペンデント映画の標準的な低予算のフレームワークを大幅に上回りました。 映画のために韓国やガラパゴス諸島でロケーションを行い、非常に洗練された映画撮影技術を彼の無秩序な画像の流れにもたらしました。
金井は、長年にわたってニュース映画制作会社で働き、一連の「ビジュアルポエム」—『夢走る』1987)、『1本勝負の螽斯』1988)、『ジョーの詩が聴える』1989を制作し、それらを1つの作品にまとめて『時が乱吹く』(1991)を発表しました。

その後に続く映画『聖なる劇場』と『スーパードキュメンタリー:前衛戦術』は、彼自身の映画制作と個人の歴史を振り返り、城之内元晴、大和屋竺、佐藤重信などの亡くなった共同制作者に向けた思いは心を打ちます。

絶え間なく集中的な想像力に富んだ再発明に専念する金井勝は、以前の作品とほとんど似ていないまったく新しい驚くべきビジョンを提起し続けます。
金井勝の世界を徹底的に再検討することは長い間待たれており、ハーバードフィルムアーカイブは、伝説を直接体験するこの並外れた回顧展を主催する数少ない米国の会場の1つです。  平沢剛、明治学院大学、言語文化研究所
ハーバードのライシャワー日本研究所が共催。 平沢剛監修。


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