ロンドン&モントリオールでの出会い~~:-)))))))))))) (只今工事中!資料が届き次第、完成させます!)
1962年からおよそ30年間~~新宿伊勢丹の道路を挟んだ東隣に、国内外の意欲的な映画や実験性の高い演劇などを公開していた“アートシアター・新宿文化”という映画館があり、新しい芸術活動の大きな拠点となっていました。
その辺のことは、葛井欣士郎×平沢剛の「遺言 アートシアター新宿文化」(河出書房新社)をご覧頂ければお分かりになると思います。
その憧れの映画館のレイト・ショーで、処女作・『無人列島』(’69年 35mm)が封切られたことをぼくは今でも光栄に思っております。
更に、’67年にはその劇場の地下に“アンダーグラウンド蠍座”が誕生~~主に16mmの自主映画や実験映画、若松プロの作品などが公開され、’71年には、《金井勝のニュー・シネマ・コンセプション》と銘打って 『Good-bye』と『無人列島』が、更に’74年にはそこに新作の『王国』が加わって、《金井勝の微笑う銀河系三部作》が上映~~この“蠍座”とぼくの作品たちとは相性が良かったとみえて何時も盛況でした:-))))))))))
さて、その“蠍座”や“新宿文化のレイトショー”で公開された作品を中心にした“日本の実験映画特集”を、東ロンドンに拠点を置くCLOSE-UPが提供~~ユニークな劇場=“Working Men's Club”で上映とトーク、更にロンドン大学バーベック校でも上映とシンポジュームがあり、《微笑う銀河系三部作》を引っさげてこの夏に行って来ました。
                                                                                                                                                       
   
 ’60年代の“蠍座”の写真が使われたフライヤー 左から、ロンドン大学のオリバー・デュー氏、
CLOSE-UPのスタッフとサンヴィル代表、小生、
明治学院大学の平沢剛氏、リーズ大学のジュリアン・ロス氏
そのポスターなどには、“蠍座の入口”の写真が使われていて、「THEATRE SCORPIO SEASON JAPANESE INDEPENDENT AND EXPERIMENTAL CINEMA OF THE 1960s」 (蠍座における’60年代の日本の自主映画と実験映画シーズン)とあり~~ぼくが招かれたのも、それほど不思議ではないような気も致します~!

期間は、7月の12日から31日までで、
東ロンドンにある“Working Men's Club”での上映作品は、大林宣彦の『食べた人』(藤野一友との共同演出)と『Complexe』。日大映研の『椀』(=足立正生)。大島渚の『ユンボギの日記』。城之内元晴の作品集として、『プープー』(=日大映研)、『ドキュメント・6.15』、『Wols』、『土方巽』、『日大大衆団交』。そして蠍座の杮落し(こけらおとし)作品である=足立正生の『銀河系』へと続きました。

ここでの最後は、《An Evening with Katsu Kanai:Smiling Milky Way 》と題されて、『無人列島』と 『Good-bye』の上映と、自己解題の後にQ&A~~特に 『Good-bye』への関心は高く、何時までも続く質問に地下鉄の最終に乗り遅れるところでした。

そして、“FLAT TIME HOUSE”に場所を変えて、城之内の『ハイレッドセンター シェルタープラン』、『新宿ステーション』、『ゲバルトピア予告編』が上映されました。

30日には、“ロンドン大学のバーベック校”~~欧米の映像研究者を中心にしたシンポジュームの後、日大映研の『鎖陰』(=足立正生)と、ぼくの『王国』、そして31日には岡部道男の『クレイージー・ラブ』が上映されました。

『王国』の上映後のトークでは、長い間日本の実験的な映画をイギリスに紹介してこられたトニー・レインズ氏が司会と代表質問をしてくれましたので、会場が引き締まり、充実した時間となりました!
                                                                                                                                                                      
   
 左から、オリバー氏、小生、ジュリアン氏と
トニー・レインズ氏
通訳は14歳まで日本で育ったジュリアンです
 満席の客席~~カナダ、アメリカ、フランス、
オーストリアなど
からの研究者の顔もあります
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まずDVD-box:[The World of Kanai Katsu]を購入してくれていたタイの青年が、なんとその上映会場に現れたのには吃驚~~彼は今ロンドンの大学で《数学》を勉強中だそうですが、ぼくの作品を含めた《映画の本》を来年中には出版するそうで、今から楽しみにしています:-))))))))))

また主催者のひとり、ロンドン大学・院生のオリバー氏は、イェール大学(アメリカ)院生=山本直樹氏の紹介で、数年前に新宿でお会いし、その後山形映画祭でも会ったことのあるご仁~~彼が今取組んでいる博士論文が 『Good-bye』論だそうで、これまた吃驚です:-))))))))))

上映スタッフは、“CLOSE-UP”のメンバーですが、彼らもまた映像作家であるために上映はパーフェクト~~心から信頼できる友人を得ました:-))))))))))

そして、秋にはこのイベントの《縮小版》がカナダのMcGill大学の主催で開催されますが、実はその大学では既にぼくのDVD-boxを購入してくれていたことを知り、これまた吃驚~~『無人列島』と『GOOD-BYE』が上映される予定です:-))))))))))

また、ケンブリッジ大学に留学しているという京都出身の学生が出現~~「以前から『王国』のことは聞いてましたので来ましたが、とても良かったです~~大学にも前衛作品に関心がある者がいますので話しておきますょ」ということでしたので、大きな勇気を頂きました:-))))))))))

平沢氏から頂いた最初のメールには、「リーズ大学のジュリアン・ロスとロンドン大学のオリバー・デューという若い研究者二人が主催者で、私が全体のプログラムのお手伝いをしております~~」とありましたが、中でもジュリアン氏はまだ弱冠23歳~~彼らの若い情熱によって、’60年代~’70年代のあの伝説の“蠍座”が、時空を超えてロンドンの地に蘇ったのです:-))))))))))

更に若き二人は、レインズ氏や平沢氏などとともに、BFI劇場で8月1日から始まった“日本のアートシアター作品集”にも参画~~更に大きく羽ばたいてゆきます:-))))))))))

CLOSE-UP ★60年代日本自主映画・実験映画特集 ★ロンドン大学でのシンポジューム

7月に開催されたロンドンでのイベントと関連した形の“Visual Underground in Montreal”が、カナダのマッギー大学主催で、9月16日、17日、18日の3日間、コンコルディア大学で開催されました。

今回は、作品のみの参加となりちょっと残念ですが、そのトップバッターとして初日の午前中に『無人列島』と『Good-bye』が上映されました。
このイベントは、日本の1960年代の自主映画&実験映画と、映画研究者による研究発表などから構成されていて、上映作品としては他に松本俊夫の『石の詩』、『つぶれかかった右眼のために』、『エクスタシス=恍惚』、『アートマン』、『色即是空』。足立正生の『椀』、『銀河系』。岡部道男の『クレージーラブ』。城之内元晴の『プープー』、『ドキュメント6.15』、『Wols』、『土方巽』、『ゲバルトピア予告編』、『新宿ステーション』などです。(詳細は主催者のweb =Visual Underground

さて、海外でのぼくの作品上映は、処女作・『無人列島』(1969)がスイスの“ニヨン国際ドキュメンタリー映画祭”で大賞を受賞~~その時その会場で見たマックス・テシエ(フランスの映画雑誌「ECRAN」の同人)によって高く評価され、彼の手によりヨーロッパの各地で上映されました。更にイギリスのトニー・レインズが加わって、ロンドン映画祭を中心に度々イギリスで上映され、海外の映画誌などでも取り上げられるようになりました。

特に印象に残っている“海外上映”では、テシエによる『王国』のカンヌ映画祭(1974)での上映。そしてレインズによる『無人列島』のエジンバラ映画祭1984=“日本映画の25年”での上映、更に1999年には35mm版で『無人列島』があの衣笠貞之助作品:『狂った一頁』とペアでの“IFFロンドン”上映~~衣笠監督は大映時代の師でしたので感激でした:-))))))))))

その後、『前衛仙術』(2003)が第50回オーバーハウゼン国際短編映画祭で“国際批評家連盟賞”を受賞、その第53回映画祭では“金井勝回顧展”があり、更にケルンにある日本文化センターでも“金井勝個展”が開催されました。

また2009年には、イェール大学主催のイベント=“East Asia in Motion”にメイン・ゲストのひとりとして参画。また同年に発売したDVD-set“The World of Kanai Katsu”による上映会がカナダのトロントでありました=“The Deserted Archipelago & The Kingdom”。
こうした流れがこの“夏のロンドン”へ、そして“秋のモントリオール”へと繋がってきたように感じられます:-))))))))))

こうした中で、世界の沢山のweb siteから(ひと目で分かる)“有難い頁”を紹介致します!
王国』、『無人列島』、『Good-bye』、『時が乱吹く』そして『微笑う銀河系三部作』、またこちらはタイ語で綴られた“日本の前衛的映画”の頁です:-))))))))))
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