老人、世界を哂う
MONSHIRO
毎日、これといった変化もなく、中年期の今となっては変化のないことが一番の幸せに
なったりしている自分もずいぶんと守りに入り、老けたものだ。
交流サイトで、なんの役にも立たない「いいね!」を連発する無為な日々を送っている
のだが、そんな中、映画関係の記事が流れてくる。ほほぅ、フランス関係か。フランスは
好きだ。美しいものを見極めることが、力となる国。
フランスで「1935年から1975年までの日本映画の黄金期・監督101人」といった
本が出版されたとのこと、辞書的な意味もあり、貴重な本であるとのこと、
その本の選ばれし監督(と映画人)101人の、そうそうたるメンバーの中に・・・なん
と!金井勝がいるではないか!「よくぞ」という気持ちと「やった!」「あたりまえ」
「でかした」などという気持ちが、心の中でぐるぐると回って、むせかえるようであった。まさに、感涙。
金井監督と知り合い、もう20年以上がたつ。私は、作品を残していない、人間である。
そして、金井監督は、作品を残した人である。作品は多くはないが、本当に残る、本物の
作品、映画、芸術品を作った人。世界的に評価され、また、世界的な影響力を持ったもの
を作れる人である。
ふと、「金井勝」で検索してみたら、ウィキペディアにも金井監督のページがあり、その
中に「オーバーハウゼン国際短編映画祭での<回顧展>を皮切りに映画祭や学会などで
<選集や全集>が組まれ、そのトークショーにドイツ、アメリカ、イギリス、ベルギー、
スイス、フランスに招待されている。更に<微笑う銀河系・三部作>が発表されて40年が
過ぎた今、フランス語版のKatsu Kanai-Wikipediaが誕生したのも稀有な例かも知れない。」
とある。
まさに「稀有」このひとことが、金井監督だと、気づく。
世界の暗黒に輝く異才の星。
私は知っている。世界で評価される人は、そうなりたくてなるのではなく、どうしてか、
そうなってしまうのだ。きっと金井監督は、そんな風に評価されることを、面白そうに、
楽しんでいることだろう。世界に向かって哂うのは、生きのいい若手ではなく、知名度重
視の作家でもなく、褪せないものを作った者だけが受けられる、栄冠なのだ。
そう、世界 に向かって哂え、老人、金井監督、勝丸よ!
※ 先日、妻・智女の友人であるMONSHIRO姫から久し振りにメールが有り、
偶然検索で≪日本映画の黄金時代 1935-1975≫を
見つけたそうで、
応援歌を寄稿して頂きました!!!****************************************************************
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