喜寿の年に、我が子らは欧米で大いに華やぎました :-))))))))))
今年=2013年は私の喜寿の年~~正月早々から『無人列島』(1969)がニューヨーク近代館美術(MoMA)で上映され、2月にはジョナス・メカスのアンソロジー・フィルム・アーカイブスで 『Good-bye』(1971)が上映されました:-))))))))))
前者は、[Art Theater Guild and Japanese Underground Cinema] の中で、後者は[RITUALS IN THE AVANT-GARDE: FILM EXPERIMENTS IN1960-70s JAPAN]の中での参加です。
欧米を巡るこの2つの上映イベント~~私はそのロンドン版に招待され≪微笑う銀河系・三部作≫の上映とトーク・ショーなどに参加し、次のモントリオール版と今度のニューヨーク版では先述の2作品での参加でした。
今度のMoMAでの上映は、日本の現代美術展との合同展でかなり大掛かりなもの~~実際に見てきた人からの情報ですと、大盛況だったそうです:-))))))))))
一方、フィルム・アーカイブスでの上映作品は、 大和屋竺監督『荒野のダッチワイフ』、土本典昭監督『パルチザン前史』、土本典昭監督『水俣・患者さんとその世界』、金井勝監督 『Good-bye』、小川紳介監督『三里塚 辺田部落』、加藤好弘監督(=ゼロ次元)『因幡の白兎』、足立正生監督『噴出祈願 15歳の売春婦』、他に前衛舞踏などの3作品ありました。(以上上映順)
ジャンルを超えたユニークな作品たち~~60年代70年代の息吹が伝わってくる素晴らしいセレクションだったと思いました:-))))))))))
ともあれ、
この2つの≪ニューヨーク上映会≫の影響だと思いますが、書店などを通してDVD-set:[The World of Knai Katsu]がハーバード大学の図書館を初めとし、アメリカ、カナダ、そして日本の大学の先生方から注文があり、大いなる勇気を頂きました:-))))))))))
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そしてその秋~~これまでとは全く違うところからオファーがあり、スイスのローザンヌとベルギーのブリュッセルに行ってきました:-)))))))))))))
先ずは、ベルギーの首都・ブリュッセルにある新しい文化の拠点=CINEMA NOVA~~!
詩人であり映画監督でもあったジャン・コクトーが「絢爛たる広場」と称したグラン・プラスのすぐ近くにそれはありました!
世界中から観光客が訪れる
グラン・プラスヨーロッパの最高級を誇る
アーケード街寺山ワールドを彷彿とさせる
NOVAの看板
美しいショッピングアーケードを抜けると突然現れた異空間~~CINEMA NOVAは、取り澄ました世界に挑んでいるかのような劇場でした:-))))))))))
全てが経済優先の今の日本ではとても考えられないNOVAの存在~~映画好き、音楽好きの人たちによる、斬新で刺激的なアート作品の発信基地であり、多くのボランティアによって支えられています!
吃驚するほど天井が
高い大劇場
こちらは映写機などが配置された中二階NOVA新聞に
私に関する記事NOVAの玄関で
デレクターのローランさんと
古い倉庫を思わせる大劇場~~煉瓦や剥がれかかった壁が剥き出しになっていて、その荒々しさが日本の60年代の雰囲気と重なり、懐かしさを感じさせてくれました!
ここでは時々日本の映画や演劇なども公開されており、ディレクターのローラン氏は(Laurent Tenzer)は、個人的には増村保造作品が好きだと言っていましたが、彼が誇らしげに見せてくれたのは寺山修司作品を中心とした≪CAMERA_JAPAN_FESTIVAL_≫の新聞~~それは2008年の10月23日から12月1日まの大プロジェクトだったそうです!
さて≪FOCUS Katsu Kanai≫~~実はスイスのローザンヌでの映画祭が切っ掛けとなって急遽実現したこともあり、10月12日(土)の午後8時からの1回だけ~~トークを挟みながら『無人列島』、『Good-bye』そして『前衛仙術』の3作品の上映となりました!
中央の女性が
通訳のサラさん若い人たちを中心に
埋まり始めた観客席ローランさんの司会で
シネマテークが始まる
通訳は、5ヶ国語が話せるというサラさん~~彼女はパフォーマンス集団=ゼロ次元の存在を良く知っていて、自由劇場の串田和美などの役者たちにゼロ次元のパフォーマーをぶつけたことが素晴らしく、今でも新鮮~~弁証法のアウフヘーベン(止揚)的な効果を上げていると、『無人列島』を高く評価してくれました!
また想定以上の収穫は、『Good-bye』~~40数年前の極東が舞台なので、遠く離れたここベルギーでの上映はちょっと心配でしたが、最初から客席のあちこちから笑いが起こりました!
特にラーメン屋のオヤジを演じた佐藤重臣(大学の先輩で「映画評論」編集長)や飴売りが受けていたようでしたが、龍頭公園でのラストシーンでは、思わぬ大きな拍手を頂きました:-))))))))))
そして『前衛仙術』~~この作品は第53回オーバーハウゼン映画祭の回顧展でも凄い人気でしたので自信がありました・・・・・が、観客が急に少なくなってしまったので、不思議に思いローランさんに「何故....!?」と訊いたところ、「もう、時計の針が1時を回ったからでしょう」ということで納得~~!
それに加えて、地下のスペースでは11時半から始まっていたJunzo Suzukiのライブが佳境に入ったからなのかも知れません~~そのSuzukiさんですが、『無人列島』は日本で見ていたそうです!
ローランさん、そしてこの素晴らしい空間を支え続けているボランティアのみなさん、本当に有難うございました。今後も日本の前衛的作品をどうぞ宜しくお願い致します!
尚、CINEMA NOVAでは、大島渚監督の『愛のコリーダ』を12月に予定しているそうです!
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電車を使ってパリに出て美術館巡りをした後、スイスのローザンヌへ~~いよいよ第12回 Lausanne Underground Film&Music Festivalでの≪特集・金井勝展≫です:-)))))))))
白鳥たちが羽を休めるレマン湖の
ウーシー港青空に描かれてゆく見事な
十字架中世の面影を残す旧市街地
眼下のレマン湖の対岸はフランス
ローザンヌの繁華街は、湖畔のウーシー地区と中腹にある国鉄ローザンヌ駅周辺、そして高台にある旧市街地~~それを一直線に結んでいるのが地下鉄で、映画祭=LUFFの開催は、その旧市街地です!
小雨に濡れる大通り~~LUFFのポスターに眼をやると、そこに自分の名前を見付けました:-!!!!!!!!!!
旧市街地の大通りに建つ
立て看板そこには
LUFFのポスターも私の名前の下には
何と、「シューリアリズムの帝王]とあった!
この身に余るタイトル~~命名者はLUFFフィルム部門のディレクター:ジュリアン ボディヴィ氏(Julien Bodivit)によるものだと思います:-))))))))))
これまでにもスイスとは何故か縁がありました。
処女作:『無人列島』を制作&公開していた1969年に一通の国際郵便を受け取りましたが、それはレマン湖畔にあるニヨンという街で始まった国際映画祭からのものでした。
そこで当時懇意にして頂いていたフランス映画社の柴田さんに相談してみたところ、「審査員にはフランスのユニークな監督などもいて、みなさん素晴らしい人たち~~面白そうな映画祭だ!」と言われ出品したところ、大賞を受賞しました!
更に幸運だったことに、その映画祭の観客のひとりに新進気鋭の映画研究者がおりました~~マックス・テシエ氏(Max Tessiel)です!
彼は『無人列島』を高く評価して、ヨーロッパの各地で上映~~同時にフランスの映画雑誌:「ECRAN」などで、『無人列島』や『王国』を度々取り上げてくれていましたが、その彼はフランスを拠点に活動するスイス人でした!
丁度その頃だったと思いますが、記録映画界の重鎮=野田真吉氏が、スイスは昔からシュールリアリズムの研究が盛んだと言っていましたが、その伝説の地=スイスの映画祭で≪特集≫を組んで頂けたことに、心から感謝致しております!
若者たちで賑わう
メイン会場の表左から通訳の中原さん、ダニエルさん、
ディレクターのジュリアンさんと私プログラムの私の頁
文章は全てジュリアンさんさて、LUFFのメイン会場はその昔カジノであったという建物~~1階には映画祭の事務所が置かれ、地下1階には上映ホール:Cinematographeがあり、音楽のライブに使用されるホールもあります。
上の真ん中の写真は、今回特にお世話になった人たち~~私の隣が映画部門 ディレクターのジュリアンさん~~彼によってこの《特集 金井勝》が実現し、きちんと調査研究してから私に関する全ての文章を~~とても有難く思いました!
長身の青年はダニエルさん~~この映画祭の幹部のひとりで大概私の上映会場に姿を見せてくれていました。前衛的な作品には造詣が深い彼~~勅使河原宏監督の『砂の女』(1964)に興味を持ちわざわざ鳥取砂丘を見に行ったそうですが、『Good-bye』の中に出てくる砂丘や、飴屋の存在などについて質問されました。
通訳をしてくれた中原さんは、日本の商社のローザンヌ駐在員~~学生時代には陸上競技でインターハイに出場したこともあるそうですが、現在はここローザンヌを心から愛し、誇りを持ってこのLUFFにボランティアとして参加~~大変にお世話になりました!
お母さんが日本人のオサムさん
彼にも通訳でお世話になるEJMAホールでの
舞台挨拶Cinematographeでの
『王国』の観客上映会場は大小様々いくつかのホールがあり、16日の午後から20日まで、『無人列島』、『Good-bye』、『王国』の≪微笑う銀河系・三部作≫と、『聖なる劇場』、『前衛仙術』はそれぞれ2回づつ、『時が乱吹く』だけが1回の上映となりました。
番組の構成が必ずしも成功したと言う訳ではありませんでしたが、それでもかなりの反響がありました!
上映後に作品に対する数々の質問、更に次から次へとサインを求められ、その数の多さには吃驚させられました:-))))))))))
観客からの質問風景
生まれて初めての
衣類へのサイン何故か有名なスポーツ選手
になった様な気分(笑)
Music会場を覗くと
流石にunderground music festival~~
空気を震わせるその音量が勝負とばかりに
世界から集まったミュージシャンが熱く萌えていました:-))))))))))
http://www.flickr.com/photos/luffestival/
こちらは Music festival の会場 更けゆく LUFF‐2013 のメイン会
ともあれ
喜寿を迎えた私にとって
遠い昔のあの若き血潮を取り戻せたような
そんな充実した一年となりました!
全てに感謝 :-!!!!!!!!!!
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